・「情報構造論」 Fall U2

情報構造論2006」ホームページ
2006年度の講義は終了しました.ご愛顧ありがとうございました.
次回はさらに充実した内容となるよう最大限^^;努力したいと思います.

担当 森本康彦  

【授業の目標等】
コンピュータは大量の情報(データ)を管理する道具としてとても重要である.事実,多くのIT関連の業務の中核にデータベースが存在している.データベースに関連する諸概念を学ぶことは,IT関連の技術者・コンサルタント等(をめざす者)はもちろん,あらゆるコンピュータ利用者にとって有益である.本講義ではコンピュータを利用したデータマネジメント,データベース工学の基本を解説する.この情報化社会ではあふれる情報を的確に管理し,利用できる人材が求められています.この講義を履修することで情報管理のノウハウ,効率的な情報収集,情報検索技術を身につけ,情報化社会で活躍できる人物になってください.

【キーワード】
関係データベース,関係モデル,関係代数,SQL(問い合わせ言語,データ定義言語),トランザクション管理

【授業の内容・計画等】
1. ガイダンス
   (授業の概説,進行計画.その他,最近のデータベース技術に関する面白い話題)
2-3. 関係モデルと関係演算
   (表形式でデータを管理することの意義と表形式データの操作)
4. SQL問い合わせ言語1
   (表形式のデータに対する基本問い合わせの記述法)
5. SQL問い合わせ言語2
   (表形式のデータに対する複合問い合わせや集計演算などのやや高度な問い合わせ記述法)
6. 概念設計
   (実世界に存在するものを実体関連モデルで表現する)
7. 関係モデルの諸概念
   (正規形テーブル,関数従属性,一貫性制約など)
8. SQLデータ定義言語
   (データ定義の記述法および一貫性制約や意味的制約の定義)
9. 概念設計から関係モデルへの変換
   (実体概念モデルで設計された実世界の概念を表形式に変換する方法)
10-12. SQL演習
   (実際の関係データベースを使ってデータ定義,問い合わせ記述を演習する)
13-14.  トランザクション管理
   (ACID特性,同時実行制御,隔離レベル,デッドロック,ログと障害回復など)
15.  セキュリティーと問い合わせ最適化
   (ビューとアクセス権の設定,インデックス,データベース管理システム(DBMS)の行う問い合わせ処理の最適化)

番号は開講順序の目安です.実際の講義はカレンダーと学習効果を考慮してその内容を決めてゆきます.各年度の授業計画の詳細と講義資料はこの講義のホームページに公開する予定です.

【予習の目安】
各回の教科書,参考書の関連項目に目を通しておく程度の予習をしておくと良い.

【復習の目安】
1-3. 関係演算は実際に例題や練習問題を自分で解く練習をしておくこと.
4-5. SQLを使った問い合わせ記述方法は,今後,いろいろな場面で使うので丸覚えする必要はないがしっかり理解しておくこと.資格試験などでもよく出題されます.
6. 身近に実在する物事を自分でモデリングしてみると理解が深まります.
7. やや難解な概念ですが身近な例をつかって覚えると理解しやすいと思います.
8. 一貫性制約の中でもとくに主キー,外部キーの概念は重要です.
9. 身近に実在する物事を自分でモデリングしてみると理解が深まります.
10-12. SQLの演習は理解を深めるよい機会になるはずです.人に教えてもらっても良いので必ず自分でやること.
13-14. データを共有する場合にどんな問題が起こり,何に気をつけなければならないかをトランザクションの同時実行制御の例を使って考えてみてください.
15. 効率的に情報を検索する方法はアルゴリズム(プログラム技法)の講義内容とも関係があります.アルゴリズムを受講している人はその内容も復習すること.

【成績評価の方法】
「期末試験」と「講義の中で出題する発展課題のレポート」の総合評価

【テキスト・教材・参考書等】
第1回目の講義で指示する.また講義の中で適宜参考書を提示する.

【履修上の注意・受講条件等】
この講義では関係データベースの解説だけでなく,実習・演習も行います.
解説中心の講義は通常の指定された講義室で,実習・演習を伴う授業はC605教室で行います.
(C605教室を利用する日時は,講義時および掲示板で指示しますので注意してください.)

【メッセージ】
予習は特に求めないが,さらなる理解のため,発展課題の内容に関連する事項について時間をかけて復習すること.学習の動機付けとして「基本情報技術者」,「テクニカルエキスパート(データベース)」等の関連資格の取得も検討してみてください.